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こちらは花より男子の二次小説です。 原作のイメージを壊したくない方は、入場をご遠慮ください。 なお、原作者様等一切関係ありません。
東日本大震災で被害を受けられた皆様に、謹んでお見舞い申し上げます。
11日に起きた大地震は、東北地方からかなり離れているここ名古屋でも長い時間横揺れを感じました。
子供の頃から東海大地震がいつ起きてもおかしくないと聞かされて育った私はまずそれを意識したわけですが、揺れがおさまった後いつもなら直ぐにテロップで流れる震度がこの地域のものではなく、発表された震源付近の震度があまりに大きかった事と広範囲に及んでいる事でその時ようやく被害の大きさを理解しました。
その後次々と報道されるニュースは本当に今日本で起きている事なのかと目を疑うほど信じられない映像ばかりで、建物の倒壊、火事、津波、原発と目まぐるしく変わる画面から目を離す事ができません。
時間の経過と共に被害状況が明らかになり、災害の犠牲者の数も日を追って増えていく中、私は変わらず普通の暮らしを続けている・・・・・とても申し訳なくやりきれない思いです。
政府や自衛隊、警察、消防、諸外国の救援チームなどが昼夜を問わず懸命の捜索、復旧作業に力を尽くして下さっている事はメディアを通してよく分かっていますし頭が下がりますが、避難所などで被災されている方達の事を想うとそちらの支援も並行して進めて欲しいと願わずにはいられません。
全国、世界から届けられているはずの救援物資は思うように各避難所、病院などに届いていないと聞きます。1分1秒でも早く必要な場所に必要なだけの物が届く様に、陸路が無理であれば空から。すべての被災者の方々に物資が行き渡る迅速な対応を政府に切に願います。
家を失い、家族や友人を失い、皆さん本当に辛い思いをされているにもかかわらず、画面の向こうでは”大丈夫、元気です。”と気丈に答える姿を見ていると本当に胸が痛くなります。
節電、義援金など私が出来る事はわずかですが、同じ国に住む者として少しでも早く被災者の方々の生活が改善される様に協力していきたいと思っています。



コメントのお返事
blanさんへ
お返事が大変遅くなってしまってすみませんでした!長編は・・・残念ながら向いてないようです。これからも短編を楽しんで頂ければと思います・・!

ザビエルさんへ
お返事が大変遅くなってしまってすみませんでした!韓国版は切な過ぎるので次回・・その次?くらいから類に追い風をと思っています。

みにまむさんへ
お返事が大変遅くなってしまってすみませんでした!「stand By U」私も好きです。そして同じくこの曲での類をイメージした事があります!・・が、お話はあまりにも切なくなり過ぎるので・・すみません。

ゆっぴさんへ
いつもコメントありがとうございます!韓ドラ私ももうずっとハマっています。最近では”華麗なる遺産”がほんと良かったです。キャストも内容も文句無しでした!こちらの類を楽しみにして下さって嬉しいです!これからも感想お待ちしております!

b-mokaさんへ
初めまして!お返事が大変遅くなってしまってすみませんでした!類ファンで色々回ってこちらへ辿り着いたとか。これからもどうぞよろしくお願いします!

もりのくまさんへ
初めまして!お返事が大変遅くなってしまってすみませんでした!こちらを始めた当初はもの凄いスピードでお話を書いていたんですが近頃はこの通りです。忘れた頃にでもまた覗いてみて下さいね・・!

ROSEさんへ
いつもコメントありがとうございます!年末、年始のご挨拶もせずにすみませんでした・・!
それから元気を頂いているのはこちらの方です!これからもどうぞよろしくお願いします!

nさんへ
いつもコメントありがとうございます!花粉、大袈裟に言ってるだけかと思えば今年は本当に凄いです。なので薬+マスクは欠かせません!早くこの季節が過ぎてくれないかなあ・・。

愛梨さんへ
いつもコメントありがとうございます!年末、年始のご挨拶もせずにすみませんでした・・!
バレンタインのお話楽しんで頂けて嬉しいです。もうすぐ類の誕生日・・頑張ります!

チコリっ子さんへ
初めまして!お返事が大変遅くなってしまってすみません!類の大ファンという事でバレンタインのお話楽しんで貰えて良かったです!”類が現実にいないのが切ない”・・同感です。ちなみに最近は薄桜鬼の斉藤一ファンでもあります!

runさんへ
いつもコメントありがとうございます!F4の豪華バレンタインのお話楽しんで貰えて良かったです!
でもよく考えたら類から何も貰ってないのか・・。あれ・・・?

陽那智まぁまさんへ
いつもコメントありがとうございます!久し振りのお話だったのでみんなのキャラクターを思い出すのに苦労しました・・!(間を空けなければいいんだけれど)”優しい拘束”お誉めに預かり光栄です!

*類xつくし大好き*さんへ
いつもコメントありがとうございます!ちょこちょこ覗いてくれているみたいですが更新停滞中ですみません!類の誕生日にお話を一つUPできればと思っています。

さゆりんさんへ
感想ありがとうございます!嫉妬とかあまり表面に出さないイメージの類ですが二次は別。バレンタインのお話楽しんで貰えて嬉しいです。またの訪問お待ちしております!

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FC2blog テーマ:雑記 - ジャンル:日記

【2011/03/16 17:00】 | 雑記
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気に入らない。
いつもは大好きなその笑顔が。
気に入らない。
確かに『食事は先に済ませてくれていいから。』って言ったのはオレだけど。
気に入らない。
いつもより少し高めの大人びたヒールも、オレの知らないその香りも。
ねえ・・あんたはいったい誰の彼女だっけ?
どうもよく分かってないみたいだから、この際ちゃんと教えてあげないとね-------。



「--------それでね、今回は時間取れそうもないから類によろしくだって!ごめんね、結局あたしの方が遅くなっちゃって・・!はい、コレは類に!」
屈託の無い笑顔で差し出されたのは真っ赤なリボンがかけられたハート型の箱。
どっかのお菓子メーカーが仕掛けたこの国独特のバレンタインの習慣は正直苦手だったけど、牧野は特別。
いつもなら”ありがとう”って言いながら彼女ごと抱き締めるのに今日はそんな気分じゃない。
「・・類?やっぱり怒ってる?」
「どうしてそう思うの?」
「だって・・せっかく類が早めに仕事切り上げてくれたのに待たせちゃったし。」
ベッドの縁に座りながらネクタイを解くオレを覗き込む様に首を傾げる彼女。いったいどこまで鈍いんだろう?
「クスッ・・違うよ。・・・ああ、少し疲れてるのかも。」
「あ、だったら尚更このチョコ食べて?甘い物は疲れが取れるって言うし!」
「・・そうだね。じゃあ牧野が食べさせてよ?」
「へ?」
「どうかした?」
「あ・・ううん、えっと・・ど、どうぞ・・。」
綺麗なマーブル色の一粒をつまんで、ぎこちなくオレの口元に運ぶ彼女。
たったそれだけの事なのに真っ赤になってる牧野が可愛くて、オレはそのまま彼女の背中を強引に引き寄せた。
ギシッとベッドのスプリングが音を立てると、オレの上に覆い被さる様に倒れ込んだ牧野は面白いくらいに動揺してる。
「る、類っ!!あの・・は、離して・・?」
「いやだ。」
「な・・!!だ、だってこんな体勢!・・なんかあたしが類を襲ってるみたいで・・!」
「いいよ、牧野なら♪」
「そうじゃなくてっ・・!」
まったく、ほんとに学習しないよね。そんな風に無理に逃げ出そうとすればますます離したくなくなるのに。
「じゃあ牧野からキスしてよ。そしたら解放してあげる。」
「だから何でそうなるの?意味がわからない!」
「せっかくのバレンタインなんだし、たまには牧野からしてくれてもいいでしょ?それとも・・・ずっとこのままがいい?」
いつになく強めの口調に拒否権なんて始めから無いのだと諦めたのか、しばらくして普段より熱っぽい彼女の唇がオレにそっと重なった・・・



さかのぼる事数時間前---------
「もしもし、牧野?ごめん、もう少しかかりそうなんだ。マンションの鍵持ってるでしょ?中で待ってて!・・あ、食事は先に済ませてくれていいから。」
「うん、分かった。じゃあ後でね!」
今日は2月14日という事もあって珍しく定時きっかりに仕事を切り上げてしまったあたしは、類の仕事の都合で思ったより時間が空いてしまった。
「さて、どうしようかな・・・」
「よ、牧野!久し振り。」
「美作さん?え・・何でここにいるの?」
「何でって、”牧野が働く会社のビルの前で再会”なんて偶然あるわけないだろ?会いに来たんだよ。」
「だって美作さん今フランスじゃなかったっけ?」
「ああ、仕事でこっちに寄る予定があってさ。丁度バレンタインだし牧野にいいもの渡そうと思って!」
ほら・・・と何気なく渡された紙袋の中には可愛くラッピングされた薄いピンクの小瓶。
「わ、可愛い!何これ香水?」
「正解!ちなみにそれオレが調合したんだぜ、牧野のイメージで!」
「え・・なんかすごい贅沢なんだけど・・!ほんとにあたしが貰っちゃっていいの?」
「お前のイメージで作ったものを他の誰かに渡す方が失礼だろ?」
「そうだよね、じゃあ有り難く使わせて頂きます!」
「そうしとけ!それじゃ俺はこの後接待だからまた今度ゆっくり話でもしようぜ!」
「あ、待って美作さん!これ会社のみんなに配ったものだけど一つ受け取って!マドレーヌ・・あたしが作ったから味に保証は無いけど。ごめんね、また今度おごるから!」
「これで充分!サンキューな!あ、類によろしく!」
走り去る車を見送った後、あたしは時間つぶしのために向かいのデパートへと足を運んだ。
「そうだ、美作さんに貰ったコレ・・早速試してみようかな!」
人気の無い化粧室。鏡の前でほんの少しだけ香りを纏ったあたしはそれだけで不思議と幸せな気分になる。
「類も気に入ってくれるといいんだけどな♪」
足取りも軽く、自分からは絶対に入らないであろうブランドショップの前を幾つも通り過ぎる。すると不意に懐かしい声があたしの名前を呼んだ。
「・・野・・おい牧野!!」
「ど、道明寺!?なんで?本物!?」
「本物ってなんだよ!ったく、どんだけ呼んだと思ってんだよ、お前の耳は節穴か!」
「・・・相変わらず日本語弱いんだ。っじゃなくて、なんで道明寺がここにいるのよ!ニューヨークじゃなかったの?」
「ああ、さっき着いた。で、そのままお前ん所の会社に直行してみりゃもう退社したって言うし。お前はもっと働け!仕方ねーからGPSで探し出そうとした時ここに入ってくのを見かけたんだよ。」
「GPSって・・・」
久し振りに会う道明寺はスーツの似合う何処から見ても大人の男の人で。なのに行動パターンは高等部の頃と同じで思わず吹き出しそうになる。
「なに笑ってんだよ。」
「ううんなんでもない・・!それよりあたしに何か用事があったんでしょ?」
「・・久々にダチの顔見に来るのに何か理由がいるのかよ?」
「道明寺・・・」
いつかまたあの頃の様に話せる時が来ればいいってずっと願っていたけれど・・・でもそれはあたしのわがままなんだと思ってた。
「・・・・・ありがとう。」
「は?なんだよいきなり。」
「別に?それより時間あるならご飯一緒に食べない?」
「悪い。今日は取引先の創立記念パーティーに呼ばれてるんだ。」
「そっか残念。」
「けど夕飯って類は?一緒じゃないのかよ?」
「その予定だったんだけど仕事で少し遅くなるみたいだから。」
「何やってんだよあいつは・・っと悪い、電話。」
どうやら急ぎの用件らしい。忙しさは世界の何処にいても共通みたいだ。
「・・待たせたな!」
「ううん、相変わらず忙しそうだね。そうだ、道明寺にこれあげる。あんたが普段食べてる物とは比べ物にならないと思うけど今日はバレンタインだから!」
「お前が作ったやつか・・・懐かしいな。じゃあ俺からも何かプレゼントしてやるよ!」
「え、いいよそんな・・!」
「ばーか、遠慮してんじゃねーよ。行くぞ!」
あたしの了解も得ないうちに強引に腕を引く所も相変わらずで。
「ほら、好きなの選べ!」
連れて来られたのはさっきあたしが通り過ぎた、自分からは絶対に入らないであろうブランドのシューズショップ。
「好きなのって・・・ここの店ゼロが一つ多い様な気がするんだけど。」
「こんなもんだろ?いいからさっさと選べよ、あんま時間ねーから。」
「そんな事言ったって・・!」
「選べないんだったら俺が勝手に選ぶぞ?」
「・・・お願いします。」
つかつかと歩いて行った道明寺の背中を見ながらふと疑問に思う。
「ねえ、なんで靴なの?」
「・・・”とびきりいい靴を履くと、その靴がいいところへ連れてってくれる”んだろ?」
振り向きざまに笑った道明寺に、遠い昔同じ様にあたしの靴を選んでくれたあの頃の道明寺の姿が重なって見えた。
しばらくして彼が手に取ったのは、ヒールが少し高めな黒のシンプルなパンプス。
「これならどんな服にでも合わせられるから貧乏なお前にぴったりだろ?(笑)今更文句言うんじゃねーぞ!」
「ほんとあんたって失礼!でも、ありがとう道明寺・・!」
「このまま履いてけよ。」
「え・・もったいないよ、帰るだけだし。」
「いいんだよ、今からその靴がいいところへ連れてってくれるから・・・な、総二郎?」
「へ?・・・あれ・・西門さん!?」
「よ、牧野!久し振り!」
「なんで!?」
「なんでってさっき司に電話貰ったんだよ。お一人様の牧野の夕飯に付き合ってやれってさ♪ったく久々の電話の第一声がこれだぜ?」
「・・道明寺、もしかしてさっきの電話って・・!」
「ま、そういう事だ。俺の代わりに総二郎に相手してもらっとけよ!」
「司の代わりじゃなくて類の代わりだろ?」
「うるせーよ!じゃあな、牧野!また今度ゆっくりメシでも食おうぜ!」
「うん!またね道明寺、それからありがとう!会いに来てくれて嬉しかった!」
アイツの心遣いのおかげで思いがけず再会できた西門さんと二人道明寺を見送った後、貰ったパンプスに履き替えたあたしは西門さんの馴染みの店へと連れ出された。
大通りから少し外れたその場所は看板など何も無く、そのまま通り過ぎてしまいそうな隠れ家の様な所だった。
「なんか意外・・!あたしの中での西門さんは高級ホテルのフレンチとか老舗の料亭のイメージだったから。」
「どっかの政治家なんかがひいきにしてそうな店ってか?ま、あながちハズレでもないんだけどな!(笑)」
「やっぱりね・・。」
「けど今日は牧野相手だから完全プライベートって事でこっちに招待したってわけ!店は小ぢんまりしてるけどここの懐石は絶品なんだよ。ついでに言うとこの店にオンナ連れて来たのはお前が初めてなんだぜ?」
「ふうんそうなんだ・・あ、コレ美味しい♪」
「・・・俺に特別待遇されてなんとも思わないのはお前くらいなもんだな・・。」
「そういえば西門さん。今日みたいな日にあたしなんかとご飯食べてて良かったの?」
「ああ、特に予定も無かったしな!だいたいこんな日に誰か一人と過ごして期待させても悪いだろ?」
この人は・・・・・。ほんとに見事なまでに何も変わっていない所がいっそ清清しい。
「牧野こそこんな日に彼氏以外のオトコと個室に二人っきりでいいのかよ?(笑)」
「なんかその言い方ひっかかるんですけど・・!」
「万が一間違いが起きたらまずいだろ?」
「万が一もあり得ないから!」
「ははっ、言うと思った!けど今日お前が俺達と会った事類はどう思うんだろうな?ああ見えてあいつ結構独占欲が強いんだぜ?」
「何が言いたいわけ?」
「俺に司にあきら・・・幼馴染みとはいえお前が絡めば話しは別って事。ま、頑張れよ!」
日本酒を煽りながら面白そうにあたしを眺めていた西門さんの言葉の意味を、あたしはこの後身をもって知る事になる--------。



「・・・・・ねえ、約束が違うんだけど。」
火照った顔で困った様に牧野がオレに訴える。
それもそのはず、唇から彼女の温度が消えても背中に回したオレの腕は緩む事なく未だ彼女を拘束したままだ。
「うん、そうだね。」
「そうだねって・・ずるい!」
「なんとでも。騙される牧野が悪い。」
「もう、なんで今日はそんなにつっかかるかな・・!」
「・・鈍感な誰かさんのためにあえて言うなら、原因はその香りとヒールのせい・・かな?」
「・・・・・!!」
「それと空腹だからかも。チョコレート一粒じゃ全然足りないし。」
真っ直ぐ彼女を見つめながら意地悪く微笑むと、オレが不機嫌だったわけをようやく理解したらしい牧野が慌て始めた。
「あ・・べ、別に美作さんは特に深い意味もなくただ・・そう、お土産をくれただけで!そ、それに道明寺はあたしが貧乏だからって・・たまたまデパートにいたから靴を選んでくれて・・!に、西門さんは道明寺から電話をもらって・・それで・・あたし相手なら期待させるとか関係ないないからご馳走してくれただけで・・・!」
どうやらさっきオレに一通り話してくれた事をまたかいつまんで話してるみたいだけど、支離滅裂だって気付いてないみたいだ。
「知ってるよ?会うなりオレに楽しそうに話してくれたでしょ?」
「・・!!言われてみれば・・そうだった様な・・」
必死になってる姿も可愛いけど、あんまりいじめちゃ可哀想だからそろそろ許してあげようかな・・・
「この話はもういいから。それよりオレ”空腹”だって言ったよね?」
「あ・・ご、ごめんね!あたし今から何か作るからっ・・!」
言い終わるより先にオレの上から下りようとする彼女を再度捕まえて向き直る。
「あのさ、そういう意味じゃないって・・・まだ分からない?」
固まってる牧野を無視してそのままグッと後頭部を引き寄せると、お互いの距離は簡単に縮んで今度はオレから彼女に口付ける。
「・・・類」
「続き・・・してもいい?」
「えっ!?」
「けどやっぱりオレは見下ろされるよりこっちの方が好きかな・・」
ゆっくりと体を反転させて彼女を組み敷けば、もう逃げ道なんて残ってないよとわずかな抵抗さえ奪う様に首筋に唇を這わせていく。
閉じ込めた腕の中、愛しい彼女のその目には・・・もうオレだけしか映らない。
               

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【2011/02/21 10:26】 | 優しい拘束
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”すぐ戻る、それまで牧野を頼む!”
-----あの日、夜遅くオレの携帯に届いたメールを最後に司と連絡が取れなくなってから既に半年。
けれどオレ達の心配をよそに、連日の様にテレビで報道される親友の姿は以前からは想像もつかないくらいビジネスの世界に馴染んで見えた。
新体制となり世界中の注目が集まる中、グループの後継者としてすべてを背負っていくという事はそういう事なんだろう。同じ様な境遇で育ってきたオレ達には今の司の立場が嫌ってほど理解できる。
だからこそ・・・季節が移り変わる様に司を取り巻く環境がどんなに変化したとしても、想いだけはずっと変わらないものだと信じていた-----。


「・・あれ、花沢類!西門さん達と一緒に帰ったんじゃなかったの?あ、もしかして待っててくれたとか?」
「ん、そろそろバイト終わる時間だったと思って。それに話したい事もあったから・・・・・何?何か良い事でもあった?」
「え?ううんそういうわけじゃないんだけど、花沢類の顔見たらさっきのオーダー思い出しちゃって!(笑)」
「それってオレが注文したクラブハウスサンドの事?」
「そうそれ!花沢類ってばウチはお粥専門店なのに真顔で”クラブハウスサンド”なんだもん!その後何故か美作さんが慌てて代わりに謝ってるし!(笑)」
「ごめんメニューも見ずに。何となく食べたかったからつい。けどよく通ったよね、オーダー。」
「でしょ!店長ああ見えて腕は一流なんだから!まあ慣れもあるんだろうけどね?」
「慣れ?」
「それがね、最近ウチのお店に変なお客さんが来るんだ。その人の場合はウチがお粥の専門店だって知っててわざと毎回メニューに無いものばかり頼むんだけどね?詳しい事はよく分からないんだけど、どうも店長の古い知り合いみたいでさ。でもそのおじいさん、観察してみると出て来た料理にケチつける割には毎回ちゃんとキレイに平らげて帰るんだよね・・。優紀は「怪しい人とは係わらない方がいい」って言うんだけど思い切って話しかけてみたらそんなに悪い人でもなさそうだし、なんか憎めないっていうか・・」
「クスッ、牧野らしいよね・・!」
「何が?」
「そういう・・・なんだろう・・好奇心旺盛な所?(笑)」
「もう!大人げないって言いたいんでしょ!」
「誉めてるんだよ。どんな相手に対しても同じ様に接するってなかなか出来る事じゃないからね!・・例えばオレ達F4・・・・・司に対してだとか。」
「・・・花沢類。」
「まだ・・連絡ない?」
「・・や、やだ花沢類ってば、いきなり振らないでよ!それにそんな真剣な顔で聞かれたら・・・・・ますます答えにくいじゃない・・。」
「じゃ、質問変更。いつまでそうしてるつもり?待ってても連絡が無いんだったらいっそ会いに行ってみたら?」
「それは・・・・・。だって、道明寺も忙しいだろうし・・あたしの事で余計な負担かけたくないっていうか・・」
「負担?もしオレが司だったら何の負担にもならないけど。むしろ嬉しいと思うよ?・・・大事な彼女と逢いたくても逢えない状況にあるなら尚更ね。」
「花沢類・・・・・あたしね、怖かったんだ。”勢いで会いに行ってみたところで会える保証は無いから”って言い訳しながら自分の気持ち誤魔化してたのは、テレビや雑誌で見かける道明寺があたしの知ってる道明寺じゃないみたいで・・・凄く、距離を感じたから・・。ははっ・・実際ほんとに変わってたらどうしよう!・・それに正直言えば外国に一人旅っていうのも理由の一つ。でも花沢類に背中押して貰ってようやく会いに行く決心が付いたよ。ありがとう、あたし会いに行ってみる・・!」
「それがいい。心配する様な事はきっと何も無いよ、大丈夫・・!それと一人旅の件だけど、それって決定事項なの?」
「え?」
「オレも近々マカオに行く予定だったから一緒に行かないかと思って。牧野さえ良ければ・・だけど?」
「そんな・・あたしの勝手な用事にわざわざ付き合わせるわけにはいかないよ!」
「ねえ話聞いてた?”オレも近々マカオに行く予定だった”って言ったでしょ?(笑)」
「花沢類・・・・・。ありがとう、いつも迷惑かけてごめんね・・!」
「どういたしまして。・・・ついでにもう一つだけお節介。」
「何?」
「今日もこれから泳ぎに行くんでしょ?オレも一緒に行っていい?」
「・・?いいよ?っていうかいつもはそんな事聞かずに勝手に見学してなかったっけ?(笑)」
「うん、でも今日は久し振りにオレも泳ごうと思って。だいぶ体もなまってるし。」
「とか言って絶対あたしよりタイム上なんだよね!」
「さあどうだろ?」
「否定しないし・・。花沢類のそういういっつも余裕な所がずるい!あーあ、たまには余裕の無い所見せてくれたっていいのにさ。」
「・・・じゃあ勝負しようか。牧野は水泳の特待生だけどオレは男だからハンデに5メートルあげる。それで牧野が勝ったらなんでも言う事聞いてあげるよ。」
「ほんと?後でハンデつけた事後悔したって知らないからね!」
「でももしオレが勝ったら・・・・・一緒に行って欲しい所がある。」
「どこに?」
「あれ?もうオレに負ける心配してるの?」
「そ、そんな事ないよ?」
「じゃあ決まり。それ貸して、行くよ!」
わざと挑発する様な言葉を投げかけてまで牧野を本気にさせたのは、自分の中に芽生えた小さな疑惑を払拭するため。
できればオレの勘違いであって欲しいと願いながら、小柄な彼女の肩に掛かる大きめのバッグを取り上げ歩き出した。


そういえば、こうして牧野と一緒に泳ぐのは退学を賭けて司と対戦したあの時以来だ。
プールにはオレ達以外人影は見当たらなくて、心なしか緊張感が漂う空気の中わずかな物音がよく響く。
軽くウォーミングアップをして飛び込み台に上がると、しばらくしてオレの隣に彼女が並んだ。
けれどその横顔はあの時と違ってどこか不安そうで、さっきから必要以上に肩を回している。
「・・用意はいい?」
「うん・・!絶対負けないから!」
「それじゃ、-------Ready・・・Set---Go!!」
ハンデの分、牧野を先に見送ってから水しぶきを上げて勢いよく飛び込むとひんやりとした水が体全体に纏わり付く。
水の粒が綺麗に左右に分かれて流れていく中を、あとはただゴールを目指してひたすら泳いだ。
-----そして、50メートルのターンを過ぎた辺りだっただろうか。
隣のコースでピッタリオレに付けていたはずの彼女のスピードが急激に落ちていく。
「牧野!!」
沈んでいく牧野をすぐさま抱き上げてプールサイドに上がると、苦しそうに咳込んでいた彼女の呼吸がようやく落ち着きを取り戻した。
「大丈夫!?」
「ゴホッ・・うん。・・ありがと・・助けてくれて。やっぱり花沢類にはかなわないな・・!」
「ごめん、オレのせいだ・・!肩、酷く痛む?」
「花沢類・・!!気付いてたんだ・・?」
「・・・あの拉致事件の時、牧野が司をかばって怪我したでしょ?傷自体は治ったみたいだけどあれ以来少しフォームが変わったからもしかしてと思って。牧野に聞いても否定されるのわかってたから・・・確かめる様な真似してゴメン!」
「ううん・・あたしの方こそ心配させちゃってごめんね・・!」
「それで病院には行ったの?」
「・・前に一度近所の病院で診てもらった時は何ともないって言われたんだけどね。」
「・・・・・ねえ牧野。オレが勝ったら一緒に行って欲しい所があるって言ったよね?」


渋る牧野を連れて最新の設備の整った病院で詳しく検査をしてもらうと、結果は想像してたよりもずっと悪いものだった。
『日常生活に支障はありません。・・・ですが、水泳の道は諦めた方がいいでしょう。』
医師から告げられた言葉が、彼女からオレの大好きな笑顔を奪っていく・・・。
「・・小さい頃から泳ぐのが好きで、平凡なあたしの唯一の取り柄だった。たった一つの夢だったのにこれから何を目標にすればいいのかな?・・っ・・道明寺と美作さんはグループを引き継いで・・西門さんは陶芸、花沢類には音楽の道があって・・みんな未来に向かって頑張ってるのにあたしには何も見えない・・!」
時間外のガランとした待合室。牧野の隣に座り、もう何度目かの彼女の涙を拭いながらオレは、本来ならここに居るはずの親友の姿を思い浮かべた。
今・・牧野が一番傍にいて欲しいのはきっとオレじゃない。それでもオレに出来る事は・・・
「・・オレが手伝うから。」
改めて彼女の正面に周り、片膝を付いてその潤んだ目線まで下りて行く。
膝の上できつく握り締められた牧野の手にそっと手を重ねた後、もう片方の手で彼女の後頭部を引き寄せ、額にコツンと自分の額を合わせた。
「一緒に・・・見付けて行こう?」


-----牧野が新たな夢を見付ける手助けが出来る様に、オレが同じ速度で歩くから。
だからもう一人で泣かないでと隣で眠る彼女の頭をそっと撫でる。
飛行機の窓から見えるのは遮る物の無い眩しいくらい自由な空。
行く先は、遠くあの雲の先に待つ幼馴染みのもとへ-----。

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【2010/12/23 17:18】 | 誰よりもそばに(韓国版)
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10月も半ばを過ぎた頃からようやく秋めいてきましたね!お久し振りです!
今回もやっぱり更新の間が空いてしまい申し訳ありませんでした・・!ですがいつも本当に沢山の拍手をありがとうございます!嬉しいのを通り越して”何故?”と疑問が残るくらいです。
根気よくこちらに足を運んで下さる皆様に心よりお礼申し上げます!
さて今回のお話の後書きです。お気づきかもしれませんがこのお話はテンプレートからイメージを広げてみました。
いつもはお話が出来上がってからイメージに合う背景を探すんですが、今回はその逆です。
書きたい物がなかなかまとまらず、どうしようかと考えていた時に気分転換で見ていたテンプレートの一つがあんまり綺麗で”是非これを使いたい!”と思ったのがきっかけです。
前回のお話が切なめだったので次は甘く・・とは思っていましたが、またしても微妙な距離感の類xつくのわりには予想以上に甘いお話に仕上がったのでとても満足しています。
近況としましては、ここのところますます韓国ドラマにハマっています♪(宮、タルジャの春など)
特に『宮』はテレビでカットされていた部分が気になってしまってレンタルのお店を覗いてはいるんですが毎回貸し出し中・・。店員さんに返却されるのは一番早くていつなのか聞いてみれば、テレビ放送終了後から私のような問い合わせが多いらしく、レンタル出来るのはいったいいつになる事やら・・・。
香りにもハマっています♪一つは近頃話題のダウニー。エイプリルフレッシュとクリーンブリーズを試してみましたがどちらもいい香りが長続きします!でも柔らかさはやっぱり日本製の方が好みかな?
もう一つは入浴剤。バブのエキゾチックスパはその名の通りゴージャスで華やかなアジアをイメージした様な品のいい香りが気に入っています!
そして今週末はコーラスの発表会第一弾!(第二弾は3月です)お天気だといいな☆
                                 

コメントのお返事
ぷーさんへ
初めまして!コメントありがとうございました!お返事が大変遅くなってしまってすみません!!
もう忘れてしまいそうな頃に更新・・という感じで申し訳ないですが、読み終わった後にまた次を期待して頂ける様なお話を目指して頑張りますのでこれからもお付き合いよろしくお願いします!

ともともさんへ
初めまして!お返事が大変遅くなってしまってすみませんでした!!
こちらはハッピーエンドもそうでない物もすべて類xつくです。中には原作のイメージを壊さない程度に少し大人な類も登場しますが楽しんで頂けると嬉しいです!

ROSEさんへ
いつも励ましのコメントをありがとうございます!秋が深まっていくに連れてますます類の温もりが恋しくなってきませんか?(笑)ですが次回は今度こそ韓国版の続きを・・と思っているのでやっぱり切なめな展開になってしまうのかな・・?でもあくまでハッピーエンドに持っていく為の通過点です!

陽那智まぁさんへ
いつも感想とお気遣いをありがとうございます!このお話は本当は9月後半の夏日が続いた辺りにUPしたかったんですが、結局間に合わないまま一気に気温が下がってしまったので冒頭の”暑さ寒さ~”の部分を入れようかどうしようか最後まで悩んだんです。でもその後また暑さが戻って来たのでそのままで行く事にしました!砂浜のシーンでは細かい部分まで読み込んで頂き嬉しく思います!

愛梨さんへ
お久し振りです!いつもお気遣いをありがとうございます。今年の夏はほんとに長かったです・・!
天気予報で他県の気温が軒並み下がって行く中、私の住んでいる所ではなかなか秋の気配が感じられませんでした。先週くらいからやっとそれらしくなって来ましたが息子は未だに半袖半ズボンで登校しています♪

みにまむさんへ
初めまして!こちらの類を気に入って頂きありがとうございます!
私もドラマ→原作→二次とハマったんですが・・・実は最初はつかxつくが好きだったんですよ♪
感想でドラマ西門とありましたが凄いですね、当たりです!あのシーンはつい彼を思い浮かべて書いてしまいました!(笑)これからも感想などお待ちしております!

類のおばちゃんさんへ
いつも率直で温かいコメントをありがとうございます!切ないモノも甘いモノもどちらも楽しんで頂けて嬉しいです!今回つくし視点のお話を書いてて思ったんですが、どちらかというと私は類視点の方が好きなのかも。書き易いというか・・・たぶん類の気持ちになりきるのが好きなんだと思います!(笑)

cabuさんへ
楽しんで頂けて良かったです!ストーリーも勿論ですが、文章表現自体を評価して貰えるとほんとに嬉しく思います!のんびり更新で申し訳ないですが、これからも訪問お待ちしております。コメントありがとうございました!

10月2日の名無しさんへ
更新停滞中にもかかわらず毎日訪問ありがとうございます・・!
これからも更新を楽しみにして貰えるよう頑張りますので応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました!

nさんへ
お久し振りです!いつもお気遣いありがとうございます!じれったい二人の世界楽しんで頂けましたでしょうか?
そういえば秋の新しいドラマで『獣医ドリトル』が始まりましたね。キャストが小栗君と真央ちゃんなのでどうしても類&つくしを意識しちゃいます♪(私だけか!笑)

まゆさんへ
いつも丁寧な感想をありがとうございます!こちらこそコメントから元気を分けて貰ってますよ☆
今回はテンプレートからイメージしたと上にも書きましたが、最初に浮かんだのが砂浜で類が後ろからつくしにサンダルを履かせる場面です。何気ない行動の中に類の愛情が溢れるシーンで気に入ってます!

みえこさんへ
お久し振りです!テンプレ私も一目惚れでした・・!
今回のお話の様に例えつくしが自覚していなくても、相手が類なら二人は何処から見ても恋人として成り立ちますよね♪センチになってしまいがちな季節なのでおもいきり甘くしてみました!

*類xつくし大好き*さんへ
初めまして、コメントありがとうございます!楽しんで頂けて何よりです!
これからも読み終わった後に和んで貰える様なお話作りを頑張りますのでまたこちらの類に会いに来て下さいね!お待ちしております!

honomamaさんへ
初めまして!こちらに訪問頂きありがとうございます!
季節が秋から冬へとこれからどんどん寒くなって行きますが心は温まって貰える様にこれからも頑張ります!応援ありがとうございました!

ビエさんへ
こちらの類を気に入って貰えて嬉しいです!そういった感想を頂けるとほんとに励みになります・・!
これからも愛情を込めて類xつくの創作を続けて行きますので応援よろしくお願いします!

ゆませさんへ
忘れた頃に更新・・という感じでほんとにすみません・・!未熟な文章ですが待ってて貰える事が凄く嬉しく、励みになりますのでこれからもお付き合いよろしくお願いします!

楓也のままさんへ
花沢類のイメージを保ちつつ、少しアレンジを加えたこちらの類を末永く楽しんで頂ける様に頑張ります!応援ありがとうございました!

10月3日の名無しさんへ
読んだ後に”やっぱり類xつくが好き!”と思って貰えると書き手としてはほんとに嬉しいです!応援ありがとうございました!

ゆうかりさんへ
初めまして!いつもこちらに訪問頂きありがとうございます。読み逃げでも全然OKですよ!
こちらの類の雰囲気が好きだと言って貰えると、私が表現したい類がちゃんと伝わっているんだな~と嬉しくなります☆どんなストーリーでもつくしを想う類を最大限表現出来る様に努力したいと思ってますのでこれからも応援よろしくお願いします!

manaさんへ
いつもコメントありがとうございます!お砂糖てんこ盛りの類xつくでしたが楽しんで貰えて何よりです!
美作さんは二人を見守るイメージなのでからかい役はやっぱりこの人、西門さんに引き受けて頂きました!(笑)とはいえ原作でもドラマでも、どこかつくしのお兄ちゃん的存在な彼。なんだかんだで波長はぴったりだと思います♪

エナさんへ
お久し振りです!今回のお話はつくしに嫉妬したくなるくらい甘くしてみましたが楽しんで頂けて良かったです!”もし類が本当に遠い存在に・・誰かのものになってしまったら?”という疑問ですが、やっぱりつくしはそうなってみて初めて自分の心と向き合う事が出来るんじゃないかな?自分の一部である類を切り離す事はつくしがつくしでなくなるという事。今まで見えていた世界が違うものに変わってしまった時、類のいない未来をそのまま受け入れられるとは思えません。この二人は一緒にいるのが自然なんだと思います・・!

ゆっぴさんへ
コメントありがとうございます!”理性の糸”というと強引な類がお好みなんでしょうか♪
確かに原作でもドラマでも類はいつも自分の気持ちよりつくしの気持ちを優先させてばかりでしたよね・・!そんな類だからこそもっともっと幸せに・・・と願ってしまうわけです!これからも頑張ります!

meiさんへ
お久し振りです!いつもコメントありがとうございます!
誰よりもそばにいるのに、唇以外ならキスだって何度もしてるはずなのにそれでも類の気持ちが分からないどこまでも鈍いつくし。だから類は今まで一度も触れた事のない場所に”恋人のキス”をしました。まさに”first kiss”ですよね♪

haruさんへ
お久し振りです!王子様もお元気そうでなによりです☆
そういえば私もついこの間似た様な事がありました。探し物をしていたにもかかわらず、同じ棚にしまってあった漫画の方が気になってつい手に取ってしまい、そのまま読書タイムとか・・。他にする事がある時に限ってそんな調子ですぐ楽しい方へ流されてしまうのが私のダメな所・・!毎日が異様に早く過ぎて行くのはもしかしてそれが原因?(笑)

ザビエルさんへ
いつもコメントありがとうございます!こちらの類xつくを待ってて貰えて嬉しいです!
のんびり更新で申し訳ないですが、心に一つでも残る様なシーンやセリフが書けるよう頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします!




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【2010/10/22 00:45】 | 雑記

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「・・ああもう、なんでこんなに暑いかな!」
暦の上ではもうとっくに秋のはず。それなのに降り注ぐ日差しはまだまだ強い。
”暑さ寒さも彼岸まで”という言葉はどうやらこの時代には当てはまらない様だ。
午前の講義を終え、太陽から逃げる様に大学の中庭を突っ切っていると、校舎の方から聞き覚えのある声があたしを呼んだ。
「よ、牧野!すげー顔してどこ行くんだよ♪」
「なんだ西門さんか・・。なんか用?」
「うわ・・お前いくらこんな陽気だからってもうちょっと愛想良くできねーのかよ・・。なんなら俺が可愛いオンナの受け答えをレクチャーしてやるぜ?(笑)」
「別に必要ないし!!それじゃあ用がないなら行くね!これから花沢類と待ち合わせなんだ!」
「へえ、今日も類とデートか!」
「ちょっ・・変な誤解しないでよ。別にデートとか・・そういうんじゃないんだからね・・!」
「ははっ、照れんなって!今更だろ?昼休みは勿論、バイトが無い日はほとんど”彼氏”と一緒なのはどこのどいつだよ?」
そう言って意地悪く笑いながら西門さんの長い指があたしのおでこを弾く。
「だから花沢類は彼氏じゃないってば・・!」
「はいはい、そういう事にしといてやるよ!」
-----とはいえ、確かに西門さんの言う通りあたしと花沢類はいつも一緒で、傍から見れば立派な恋人同士なんだろう。でも世間で言うそれとは決定的な違いがある。
・・・・・だってあたしはまだ、恋人同士のキスを知らない。
「で、つくしちゃん♪ホントのところ類とはどこまでいってんの?(笑)」
懲りずに耳打ちしてきた西門さんをおもいきり突き飛ばした昼下がり、あたしは火照った顔を両手で扇ぎながら今度こそ花沢類の元へと駆け出した。


『一昔前・・・まだ世界が平らだって信じられてた頃を実感できる場所があるんだ。』
花沢類の言う事はいつもどこか暗号めいていて理解するまでに時間がかかる。
そんなあたしをよそに隣で鼻歌混じりに車を飛ばす彼。
連れて来られた場所は、真っ直ぐに伸びた海岸沿いのサイクリングロードを挟んで反対側に湖が並ぶ独特の地形をしていた。
「随分遠くまで来た様な気がするけど、花沢類が言ってた場所ってここ?」
「ん・・・あんまり見ないでしょ?こういう景色。」
その言葉通り、片方には遥か遠く異国に続く穏やかな海が広がっていて、片方にはまるで鏡の様な湖面に暮れていく空が逆さまに映っている。
「うん・・なんだか空と海の間に立ってるみたい・・すごいね、ちょっと不思議な感じ・・!」
「疲れてなければ少し歩こうか?・・はい」
柔らかな笑顔と一緒に差し出されたのは、少し日に焼けた花沢類の大きな手。
「・・何?」
「何って・・・手、繋ご?」
波に反射する夕日に目を細めながら、彼はまるでそうする事が当たり前の様にあたしの手を取る。
-----だから勘違いしちゃうんだよ。
繋がれた手のひらは素直に温度を上げて、どんどん忙しくなっていく鼓動はもはや制御不能。あたしは今どんな顔をしてるんだろう?
「・・ね、まだ海に入っても平気かな!」
砂浜に下りたのをきっかけに違和感の無い言葉で自然を装って手を離した後、サンダルを脱いだあたしはわざとはしゃいで波打ち際に足を浸けた。
「わっ、結構冷たいかも・・!」
予想外に冷たかった海は確実に季節の移り変わりを知らせている様で、なんだか急に寂しくなる。
「・・どうかした?」
「ううん、ただ・・夏は終わりなんだなあって実感しただけ。ほら、夏の終わりってなんか寂しいっていうかさ・・なんだろう?例えるならちょうど今・・・太陽が沈んで行く前の静けさみたいな感じ・・」
そのまま少しだけ歩いて海から上がったあたしは、サンダルを両手にぶら下げたまま、まだかすかに熱の残る砂浜に座り込んだ。
腕をすり抜けていく潮風がさっきまで心地良かったはずなのに、今はなんだか少し寒い。
「昼間はあんなに暑かったのにね?」
そう問いかけると、ふわりと微笑んだ彼がゆったりとした動作であたしの隣に腰を下ろす。
「ん・・・けど、やっぱり秋だよ。この時間帯はもう・・半そでじゃ寒い。」
不意にあたしの周りだけ風が止んだ。代わりに花沢類の匂いがあたしを包む。
気がつけば体を半歩後ろにずらした彼が、足の間に挟み込む様にしてあたしを背中から抱き締めていた。
ドクンと大きく跳ね上がる心臓のせいでうまく呼吸が出来ない。
「・・・・・あの、花沢類・・・近すぎない?」
「そう?・・クスッ・・牧野の足、砂まみれだ。」
あたしの動揺なんてまるでお構いなしに、花沢類はその体勢のまま後ろからあたしの足に付いた砂を払うと器用にサンダルを履かせてくれている。
「・・はい、出来た。」
「あ・・りがとう。」
「どういたしまして。」
胸元でクロスされた腕に引き寄せられながら、こめかみに彼の唇が触れる。
流れる様な動作に呼吸さえ忘れそうで、もう限界だ・・。
「は・・花沢類っ!あたしたち友達なのに・・・そんな簡単にキスなんかしないで・・!」
思わず叫んでしまったけれど、振り向けば彼はただ不思議そうにあたしを見つめているだけ。
「・・・友達って誰と誰が?」
「だから・・・あたしと花沢類に決まってるじゃない・・!」
もう自分で言ってて泣きそうになってくる。
「・・育って来た環境が違うから、花沢類にとってはキスもハグも挨拶でたいした事じゃないのかもしれないけど・・・そういうのは、好きな人とするもんだよ・・。」
「・・・・・・・ごめん、気付かなかった。」
「いいから・・・それよりこの体勢なんとかならないかな?」
だってあたしはまだ花沢類に抱き締められたままだ。
「どうして?」
「・・あの・・・今あたしが言った事、納得してくれたんだよね?」
「納得したよ?だから謝ったでしょ?」
「だったら・・」
「じゃあ聞くけど、牧野は好きでもない男に簡単に触れさせたりするの?」
「するわけないでしょ・・!」
「オレも同じ。キスもハグも、好きな子にしかしない。牧野にしか・・」
「それって・・」
「さっき謝ったのは”オレだけ付き合ってると思っててごめん”ていう意味。けど、こんなに一緒にいて・・キスだって一度や二度じゃないのに、それでもまだオレの気持ち知らなかったって言うの?」
「だ・・だって花沢類ってば・・・その・・唇にしてくれた事無かったし・・。」
「・・・・・・・あのさ、さり気なくかわしてたのは誰?」
半分は呆れた様に、後の半分は拗ねてる様に。けれど同じ高さで合わせられた薄茶の瞳は笑っている。
「まあいいか・・誤解は解けたみたいだし。それじゃ、牧野の許可も下りた事だから遠慮なく・・!」
「え、ちょっと・・!遠慮なくってどういう・・」
「この場合、”恋人”のキスに決まってるでしょ・・」
いたずらっぽく耳元で囁かれた言葉に反応するより先に、降りてきたキスで奪われていく体の自由。
それは今までの様におでこでも頬でもなくて・・・ハーフアップにした無防備なうなじに。
持ち上げられた顎のすぐ下に。
そして、夏の名残が溶け込んだ潮風を胸いっぱいに吸い込んだあたしの唇を・・・優しく塞ぐ。


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【2010/10/01 23:35】 | first kiss
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